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ダイヤモンドの産地(鉱山)レポート

ダイヤモンドの産地(鉱山)レポート

更新:2013年03月11日

アフリカ大陸へ!

新潟空港出発、最近ハブ空港化に力を入れている成田へ。
新潟成田はこの一日一往復だけだが、(2013年2月現在)国際線出発の絶妙な時間に成田に着くように組まれているので、とても便利です。
成田からはタイ王国バンコクへ、約6時間のフライト。その後3時間のトランジットを経て、バンコクからヨハネスブルグへは約11時間・・・トランジットの時間を入れたら新潟を出て実に24時間の長旅!アフリカはやっぱり遠い~、ダイヤモンド・ビジネスの聖地、南アフリカのヨハネスブルグを経由して今回の旅、最終目的地はダイヤモンドの一大産地、ボツワナの主都ハボローネ(Gaborone)だ。

南アフリカ行の飛行機内
タイ王国の主都バンコクから南アフリカ行の飛行機内で夜明けを迎えた。一日では着かないほどの長い距離を飛んでようやくアフリカ大陸に突入。
新潟を出てから24時間!ついに南アフリカの首都ヨハネスブルグに到着。空港はさすがにきれいに整った国際空港といったところだ。・・・何てことはないんですが、資源大国の公共機関は床が大理石などの石作り、豪華です。

ヨハネスブルグ空港に立つBROOCH社長南アフリカからボツワナまでは小型飛行機で移動する
映画ジャッキーブラウンのような黒人女性が青い制服で印象的。標高はいきなりの1800m!高原地帯なのだ。気温は朝の6時で約15度、過ごしやすい気候。南半球は乾季だそうなので、カラッとした空気が肌に心地よい。
このままお昼頃には20度を超えて、ピーク時には25度くらいまで上昇するそうです。寒暖の差が激しいエリアだ。南半球なので基本的に日本と季節が反対の南アフリカはサバンナ気候なんですが、この辺りは雨季には氷点下まで下がる事も良くあるそうです。
ヨハネスブルグの町並みは1994年までアパルトヘイト(Apartheid)が敷かれていたので現在もその名残は多く、完全な白人社会。道路わきの住居スペースは完全にゲート化されていて、金網と有刺鉄線で区切らていました。電流の流れていると思われる柵に区切られている光景はさすがに世界一治安の悪い国と言った所そのままの現状がある。

それにしてもスポーツの世界なんかでは南アフリカチームって白人も結構多いイメージですが、街の中には黒人しかいない!当たり前か!?

エイズの蔓延を防ぐ南アフリカ政府の取り組み
ヨハネスブルグ市内の公衆トイレには、なんとコンドームの無料配布機が・・・!南アフリカでは全国民の30%以上がエイズに苦しんでいるんだとか、南アフリカならではの光景。

南アフリカはダイヤモンドの産地ブローチ新潟南アフリカのダイヤモンド鉱山跡地
(左)ゴールドラッシュのときにアフリカ中から一億人の鉱山労働者(この時の労働者が強制労働を強いられた奴隷であったかどうか?が現在も問題とされている)が集まって金鉱山を開拓した。街のあちこちに直径数十キロクラスの鉱山跡が残っている。


写真の奥のほうに移っている平らな岡のようなものが金鉱山の跡地だ。円形のパイプ状に掘り込まれた鉱脈の外周部分に高く積みあがった土地が今見えている部分だ。あまりにキチンとしているので判りにくいが、鉱山地帯から彫り上げた土を別の場所に盛った様になっているのがそれである。

南アフリカのスラム街南アフリカの住宅街
この鉱山跡の周りはいまだにバラックの住人が多く、貧富の差が激烈に激しいことがわかる。同行した弊社社長の話では、ブラジルのスラムよりはマシな状況かな・・・だそうです。(左)の写真は床屋さん!青空営業だ。バラックの戸家の間には時折、共同の水をくみ上げるポンプのようなものが見える、それを生活の水にしているようだ。衛生的にも十分とはお世辞にも言えない環境。

南アフリカ、ネルソンマンデラの生家前の林アフリカの木

南アフリカの郊外で『カロム』の木を発見!このカロムの実は重さが約0.2gと安定していて、ほとんど差異がなかったため宝石の重さをはかる単位として秤の反対側にのせられていました。その後、このカロムという言葉が変化して、現在のカラットになったといわれています。※ダイヤモンドの重さの単位カラットは1=0.2g

イギリス領とサイトの関係

サイトホルダーやサイトと言った言葉に代表されるこういった仕組みはダイヤモンド業界特有の業態で原石の研磨を生業とした特殊な企業を指します。現在もダイヤモンド鉱山から掘り上げられたダイヤモンドは採掘業者ではなくサイトホルダーと呼ばれる研磨業者が買い取ってダイヤモンドの研磨済みマーケットを形成しています。

サイトホルダーはDTCが取り決めた権利でも有り、原石の供給を受けることにできる証でもありました。そもそもサイトとは?イギリス(ロンドン)、南アフリカ(キンバリー)ボツワナ(ハボローネ)、ナミビア(ウイントフック)、カナダ(オンタリオ)のDTC直営ダイヤモンド鉱山を有する5拠点で開催されるDTC主催のダイヤモンドシンジケートの事です。DTCの親会社であったアングロアメリカンは地下資源採掘の拠点にそれぞれ子会社を設立してその場所で採掘される鉱物資源を取り扱わせていました、現在ものその名残で南アフリカ、ボツワナ、イギリス(ロンドン)、カナダとナミビアのDTCダイヤモンド・トレーディング・カンパニーが運営する5箇所の鉱山にが5箇所の原石マーケット・シンジケートが併設しているというわけです。

この中で最大規模のサイトが運営されていたのがイギリスのロンドンで72社のダイヤモンド原石研磨会社すなわちサイトホルダーがダイヤモンド・シンジケートに参加していました。当時サイトホルダーといえばロンドンでDTCのサイト権を持つ会社を指していました。
ロンドンが最大のサイトとなっていたのはアングロアメリカンの本拠地だった事が一番の理由だったと言えます。その後2013年になってアングロアメリカンの創始者一家であったオッペンハイマー一族がDTCの中で支配力を失い、ダイヤモンドサイトの本拠地がボツワナに移転するというような、今までからは想像もできないようなことが実現しいる激動のタイミングが今年という訳です。 

実際に1980年代まではデビアス系の鉱山がダイヤモンドの世界を席巻していて、90年代までDTCは日本国内においても独自のテレビコマーシャルをしていたりしました。ご覧になったことのある方も多いのではないでしょうか?ダイヤモンド産地がイギリス領だった事や、先の大戦で戦勝国であるイギリスへの租借地であったことも、ロンドンがダイヤモンド取引の中心になった大きな要因でした、1970年~80年後半当時は世界中のダイヤモンド鉱山の90%をDTC(当時のデビアス)が抑えていましたので、ダイヤモンドが売れると言う事は、DTCの原石が売れるという直接的な原理が成り立っていましたが、1980年代以降、新しいダイヤモンド鉱脈がカナダやロシア、ブラジル、オーストラリアなどDTC(デビアス)の統治外のエリアから相次いで見つかり、それらの鉱山が操業を開始したことで、ダイヤモンド=DTC(デビアス)という図式は徐々に崩壊してなくなりました。それでも現在のダイヤモンド原石マーケットにおける約35%を供給するNo1企業なのです。

DTC公式HP http://www.debeersgroup.com/en/

 サイトホルダーはそれぞれの原石サイトに加盟していないと、原石の供給を受けられない事から、ダイヤモンド業界においては研磨の技術を持つ企業はDTCのサイトホルダーとなって、より有利な状況でダイヤモンド原石の供給を受けて業界に対して強い影響力を持とうとします。

 近年ボツワナ政府がDTCの経営方針コントロールに積極的で、ダイヤモンドサイトも原産地の近くの原石マーケットが一番『力』のあるものに変わってきています。原理原則から考えると、当たり前ではありますが、この影響を受けてダイヤモンドの鉱山を持たないエリアであるロンドンのサイトが2013年の10月には無くなる話があります。もともとイギリスの植民地であった南アフリカなどから本国であったイギリスにダイヤモンドを集めて商売していた事がロンドンにダイヤモンドセンターができた理由だったようですから、その他のダイヤモンド産地もそろそろ本格的に独立していこうという事なのかもしれません。
DTCも人間的資源のほとんどをボツワナ本社に既に移していて、遅かれ早かれロンドンは閉鎖されます。これも、南アフリカがイギリス領だったことの名残だったんだよ!なんて20年後には話しているかもしれません(笑)

Debswana(デブスワナ)

ボツワナではDTCから有利な状況で原石の供給を受けようとして、有力なサイトホルダーがDTCボツワナの本社社屋の周りに事務所や研磨工場をどんどん建設していて、企業誘致や雇用の創出といったことも目標とするボツワナ政府の思惑通りの状況になっています。ボツワナ政府の方針が一枚上手と言う事、なんでしょう。もともとデブスワナはDTC(デビアス)とボツワナ政府が50%50%の出資によって生まれた合弁会社がデブスワナです、社名のデブスワナもデビアスとボツワナの名前から取ったわかり易い造語です。そのデブスワナが運営している鉱山がジュワネング、世界最高のダイヤモンド鉱山なのです。

デブスワナ公式HP http://www.debswana.com

ジュワネング鉱山の創業当時、その他の保有鉱山のほとんどが老朽化していた事やデビアス系にとって若い稼働鉱山としてジュワネングが最有力になった事もボツワナ政府の力が強く及ぶ原因かもしれません。

今回の鉱山見学を段取り(アレンジ)してくれているのは、DTCとサイトホルダーの間にいる業者で「原石ブローカー」的な役割を担う半国営の企業。もともとボツワナ政府の役人が主体となって組織が作られているので、ボツワナの国益に直結する地下資源のビジネスには絡んで当り前ですね。ちなみに取引額の1%が彼らの取り分、たった1%でも動く金額の巨大さを考えると・・凄いです。今まで鉱山への出入りが厳しい理由はこのブローカーの存在が大きくかかわっていました、有力なサイトホルダーでさえゲストの鉱山立ち入りだけはコントロールできませんでした。

原石ブローカーはそれぞれサイトホルダーを4社ほど抱えていて、ボツワナのサイトに参加するための条件となる現地法人の設立や、土地と建物の利権に激しくかかわっています。実際に空港近くの好立地に有るDTC、そしてその周りにはサイトホルダーの研磨工場が有り、銀行や国の行政機関が集中していますが、彼らブローカーの会社はこの中でも一番の好立地に建てられていました。こうしたブローカーは国営鉱山の運営には欠かせない存在と言う事になります。

ボツワナの首都ハボローネ(Gaborone)

南アフリカのヨハネスブルグ(Johannesburg)を出て、ボツワナ(Gaborone)へ。途中飛行機の窓からは、いたるところに何かを掘った穴が点在しているのが見える。海を超えないで大陸だけをこれだけ飛んだのは今までの経験でもなかなかないことだ・・・アフリカは広いなぁ。

南アフリカの地層は大規模な地殻変動の影響を受けている南アフリカのからボツワナへ向かう飛行機

海の上に出ないままボツワナに到着。南アフリカよりもさらに日差しが厳しい。次回来るときはサングラスと帽子が必須と思われる。南アフリカからボツワナへ向かう中で何度も見えて気になったのは(左)のような盛り上がった岡のような山。地殻変動が盛んだったときの名残なんでしょうか?アフリカはきっとこういった岡で仕切られて国境も決めているのかもしれません。

Gaboroneハボローネ国際空港はボツワナの空の玄関口ハボローネはボツワナの空港

ハボローネは国際線空港にもかかわらず、(※陸路での入国者のほうが多いからだと思うけど、国際的な入国審査場とは思えない簡易な検査のみで入国。空港も新潟空港よりも小さいか?っていう程度のサイズ)簡単な作りの空港だ。あとから聞いたらボツワナの全人口は約200万人!・・・しか居ません。新潟県が230万人なことを考えると、空港はこんなものかもしれません。パスポートコントロールは3個しかなく、荷物の受け取り用のターンテーブルも一か所のみ!まぁこれはこれで利用者としてはコンパクトで快適。

ボツワナは白人政権が支配したことは歴史上一回もないので、心なしか黒人の態度も南アフリカとは違って自信にあふれている。空港の出口で無事に今回のDTC鉱山と一連のプランをアテンドしてくれることになっている半国営のダイヤモンドブローカーのボス、通称TKと合流。見た目はどう見ても地元のマフィアっぽい・・・ですが頼りになる存在だ。元政府のお役人なので、デブスワナと民間企業(サイトホルダー)のパイプ役を務める企業だ。議会制民主主義がキチンと機能するボツワナではこうした組織がないと、議員などの中に既得権益を得る人間が出てきてしまうんでしょうね。TKは見た目、経済やくざ的な感じですが、頼りになる存在です。どちらにしても、そうしたパイプ役のブローカーの存在は日本のマーケットで語られることはほとんど無い・・・というか知っている人がいないので仕方がないですが。

ボツワナ政府の高官とブローチ社長

通称TKとの一枚。それにしてもボツワナ政府は頭が良い、その他のアフリカの諸国は地下資源や人的資源のコントロールを失って、欧米各国の様々な変則的、且つ屈折的な経済攻撃に屈して産業や商業、特に地下資源をコントロールされたり、政治をコントロールされているケースが多いんですが、ボツワナは経済も治安も政府も安定していて、クーデターや内乱は1966年の独立以来一度も起きたことがない平和で安定した国、地下資源も豊富なので将来、日本のビジネス・パートナーとしても有望です!

いよいよダイヤモンド鉱山へ

いったんホテルにチェックインして、さっそく車でジュワネング鉱山(JWANENG)へ。『今年の2月末日での閉山が決まっている』という噂のあるダイヤモンド鉱山で(この噂は嘘でした。)、デビアス(DTC)とボツワナ政府が50%ずつ出して設立した合弁企業デブスワナの経営するダイヤモンド鉱山だ。

ボツワナのジュワネング鉱山は世界最高品質のダイヤモンドが産出することで有名です、高品質の原石のカラット当たりの取引価格はロシア産やカナダ産を抑えて世界最高!しかも最高品質の宝飾用ダイヤモンドの産出量が多く、宝飾業界にとって最も重要なダイヤモンド鉱山と言えます。

現在は北部のオラパ(Orapa)鉱山とこのジュワネング(JWANENG)レタカネ(Lethakane)ダムツァ(Damtshaa)、の4鉱山がDTCボツワナの主力鉱山。ジュワネング(JWANENG)へはハボローネから車で(飛ばして)1時間半の道のり、約150キロといったところか?新潟から富山くらいの距離感。閉山寸前と言うとり出した土砂の量は物凄く鉱山のゲートからも積み上げた土がありありと見える。本当に雄大なダイヤモンド鉱山です。

オラパ鉱山→http://www.debswana.com/Operations/Pages/Orapa.aspx                               ジュワネング鉱山→ http://www.debswana.com/Operations/Pages/Jwaneng.aspx

レタカネ鉱山→http://www.debswana.com/Operations/Pages/Letlhakane.aspx                           ダムツァ鉱山→http://www.debswana.com/Operations/Pages/Damtshaa.aspx

デブスワナ入口に立つブローチ社長BROOCH新潟ではボツワナ・ジュワネング鉱山産出の高品質ダイヤモンドを婚約指輪エンゲージリングに人気のシンプル王道スタイルで勝てます

デブスワナのジュワネング鉱山前、ゲートは厳重に守衛によって守られている。

ジュワネング鉱山の入口ゲート前ジュワネング鉱山入口ゲート前

残念ながらここから先は撮影不可!鉱山は独自の採掘技術などを持っていることから、技術の漏えいを恐れたのでしょうか?キンバーライトといわれるダイヤモンドの原鉱石は特殊な採掘技術が必要とされる。
ちなみに日本ではジュワネングが閉山するなんて噂されていますが、2030年まで元気に操業するそうです。DTCのなかでも最大級のダイヤモンド供給量を誇る鉱山は健在というわけです。ちなみにジュワネングは世界最高品質のダイヤモンドが産出することで有名で、その品質は近年高品質だと注目されているロシア産やカナダ産の上を行きます。(※DTC調べ)産出量は年間約1400万カラット、その内、宝石品質の産出が多いのも特徴で、取引額は年間10億ドルに上ります。

DEBSWANA本社、社屋

デブスワナに到着ブローチ社長

DTCボツワナのダイヤモンドサイトホルダー、デブスワナに見学に行くことに。

デブスワナのミーティングルームデブスワの入口検問

デブスワナ、ダイヤモンド鉱山の入口検問

ダイヤモンド取引所らしく入り口にはレセプション・パスポートコントロールがあって、そこで身元を調査される。待たされること20分、ようやくパスポート審査終了、DTCの内部へ。入口は厳重で(右下)カードキーがないと入場できない仕組みになっている。サイトホルダーのビルならば通常パスポートは帰る時まで帰ってきませんが、DTCは入場までのチェックがより厳しいためか、その場で返してくれました。DTC社屋内は貴重品の自己管理が必要ない程の強力セキュリティーエリア!

さて、本社社屋は5階建ての大掛かりな鉄筋コンクリートの建物、いたるところに監視カメラが設置されていて・・・これ全部チェックできるんだろうか?と疑問なほど取り付けてある。敷地内はむやみに立ち止まったりしてはいけないという、かなり厳しい。監視の目があちこちにあるので、怪しいと勘違いされるような行動はすべてがNG!テキパキと歩いて行くことに、いよいよ建物内部の大広間へ。ここで大まかな説明を受けて中を案内してもらう。ここまでの敷地内は撮影NG!ボツワナではいわゆる一階はグラウンドフロアー、2階が1Fという表現、これはイギリス式だったかな?と言う事で、日本でいうところの2階(1F)へあがっていく。

ダイヤモンドのグレードは原石段階で看破

ダイヤモンドの原石仕分けデパートには世界中の原石が集まるダイヤモンドの原石仕分けを行うデブスワナ

500坪くらいの床面積の有る巨大なフロアーは2カラット以下の石についての選別が行われている。部屋の天井には1メートルおきに監視カメラが設置されていて、ダイヤモンドの会社という感じ。しかも驚くべきことに、この部屋の設備を使うと人間のグレーダーが一切かかわらないままで原石(ラフrough)の段階でダイヤモンド選別用の機械である程度ダイヤモンドの4C中3Cまでは区別できてしまう!っていうかほとんど鑑定が終わってしまいます。まず研磨前の原石を機械にセットすると、29の色調に区別される、29だと数値上のカラーグレードよりも既に多いことになるので、おそらく色の系統ごとに6種類とか、黄色系統だけを少し多めに設定しているかもしれません。と言うのも、そもそもアフリカ大陸産はダイヤモンド・ビジネス創世記の集散地『南アフリカのケープタウン』から名前をとって独特の黄色系のダイヤモンドを『ケープ』と呼ぶくらいですから黄色系統が多事からの推測ですが。ダイヤモンドの選定機は撮影不可だったため、お見せできないのが残念。

同品質にまとめられたダイヤモンド原石ラフダイヤモンドのラフ原石デブスワナで仕分けされる

(左)形と色、透明度を選定されたダイヤモンド原石

ダイヤモンド原石を仕分けしたデブスワナデビアス職員はダイヤモンド原石のエキスパート

それぞれの石に光を透す検査等での選別と思われる。その後、形、透明度を大まかに選別する機械にかかる。形はラウンド系、フラット系(細長い)、もともとこのフロアーは2カラット以下の石を仕分けるフロアーなので、この時点である程度のサイズ、カラー、クラリティー、とダイヤモンドの4Cの内、3Cまでが解ることになります!質(たち)の悪い原石はこの段階ですでに選別されることになります。(左)山積のダイヤモンド原石は3Cまでの簡易鑑定で同じようなサイズ、カラー、クラリティーに分類されています。(右)フロアーが見渡せるようになっていて、自然光以外は極力使われていない。

北向きの陽光でダイヤモンドの色グレードを判断するデイライトは机に直接床部分から北向きの陽光と同じ光を発揮して調べる

原石の性質(たち)で価格が決定されていると言うのが、ある意味では証明されたという事なのかもしれません。こうした原石の炭素結晶の揃い方やファセット面に対する結晶方向の有り方などは現在、イスラエルのサリーン社が進める『輝きの評価』を測定する輝き測定器でも判断できるようになっているそうですし、今後のダイヤモンド ビジネスではそのような原石だったのか?が本当に価値の判断に加わって、ダイヤモンドの価値そのものが変化しそうです。

最終的な段階でもこの会社(DTC)ではダイヤモンドをカットしないので、原石のままで、北向きの開放的な窓の前で透明度と色グレードを検査されて、出荷される。この条件はカット済みのダイヤモンドを見るときと同じ条件だ!(右)デイライトという鑑定用のライトが机にセッティングされているのはユニーク、でもこの方が合理的。

ダイヤモンド ビジネスの今後

DTCボツワナにはすでに400名の技術者が勤めていて、10月にはロンドンのサイトを移すための工事が急ピッチで進められています。この建物の4階部分(現地の表現では3階になるのか?)にロンドンのダイヤモンドサイトが丸ごとお引越ししてくるのは2013年の10月頃の予定。2014年はボツワナサイト体制の元年となるのか注目です。※どうやらDTCの鉱山のダイヤモンド以外にも、ボツワナで採掘したダイヤモンドはここに集まって来ているようです。

そのまま3階へ、基本的に2階と3階は同じことをしているんですが、3階は2カラットUPの大粒ダイヤモンド原石について検査しているフロアーだ。

ダイヤモンド原石ラフ、メイカブルダイヤモンド原石ラフ、一見普通の石ころだが高品質のダイヤモンド原石

大粒ダイヤモンド原石が並ぶデブスワナ3Fソーヤブルダイヤモンド原石

さすがに2キャラオーバーという事で管理の人間の数も多い。確かにこの原石の中からどんなダイヤモンドが取れるのか?は専門的な知識を持ってないと見分けることはできない。(右上)弊社社長の手の上に乗ったダイヤモンド原石、20カラット以上はあるか?原石はダイヤモンド選別専用の機械で4C中3Cを振り分けられた後に、人間のチェックを受けている。

5週間ごとに各原石鉱山からダイヤモンド原石がここに集められて選別されています。DTCの直営以外のその他の民間鉱山などからの持ち込みも有るそうで、アフリカのダイヤモンドがココに集まってくる仕組みのようです。

ボツワナのダイヤモンドサイトの権利を持たないと今後サイトホルダーとしてやっていくことは厳しくなるというのは、こうした仕組みつくりから考えたら明白なことと言えます。2000年に5社からスタートしたボツワナサイトは現在21社、今年の10月には72社全てが揃うんでしょうか?それとも脱落するサイトホルダーも現れるのか?注目です。右下のダイヤモンド原石は8面体の結晶型がなんとなく残った感じのいわゆる「ソーヤブル」ハイグレードなダイヤモンドが出てきそうだ。

こうしたダイヤモンドの原石がボツワナのマーケットから発信されて、当然綺麗な原石、いわゆるイイ物から売れていくわけなので、ダイヤモンドの原石業界では、このボツワナの地に研磨工場を持ってこれないと、今後ダイヤモンド取引の現場では苦しくなっていくということなんでしょう。

デビアスグループのブローチ担当者と社長ボツワナ政府高官とブローチ社長

(右下)DTCのマクドナルド氏、今回のDTC内部をアテンドしてくれた好青年です。
通称TKとDTC Botswanaのサインの前で。
今日はこの後、DTCの周りにある世界有数のダイヤモンド研磨会社に行ってきます。

(文・写真 BROOCH 小林朋也)